芝居のレビュなどをゆるっと書いてみるブログ。あくまで個人的な意見であり、内容に誹謗中傷の意図はないことをご理解下さい。
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某友人に誘われてなにげなく見に行ったこの芝居。ほぼ前知識なしで見に行ったのですが、いやあ、面白かった!見る直前にツイッターで「男女逆転劇」ということだけ知って「!?」ってなってたんですがね。開けてみたらコレが実に的確な演出でびっくりした。イロモノ芝居かいな?とか思ってたわすまん。
この話を女がそのまんまやってたら生々しくなりすぎてたと思う。もっと『お涙頂戴モノ』っぽくなってたんじゃないかなあ?女を男がやっていたからこそ、女のエゴとか身勝手さとか哀れさとかが緩和されてマイルドになっていたように感じました。
確かに最初こそごっつい女と細っこい男に違和感を感じていたけれど、すぐに慣れて物語に入り込むことができたのは、きっと役者さんの芝居ぢからのおかげね。役者さんすげえ。
確かに最初こそごっつい女と細っこい男に違和感を感じていたけれど、すぐに慣れて物語に入り込むことができたのは、きっと役者さんの芝居ぢからのおかげね。役者さんすげえ。
特に印象的だったのが、ストーリー上ではほぼ本筋に関わってこない女中のハンナと孤児ビルド。じつはこの二人のエピソードをまるっと抜いてしまっても物語は成立するんだよね。でも、この二人ゼッタイ必要だしすごく重要!
この二人がいるからこそ、生まれてすぐに亡くなってしまった赤ちゃんの哀れさとか、母と子という物語の中心を流れるテーマが浮き彫りになったのだと思うのです。そして血のつながりのない二人が母子になったラストシーンは、この切なくやりきれない物語のほんの少しの希望となりました。
「かあちゃんて呼んでいい?」ってビルドが云うとこ、泣いたもんなあ。
さて、役者について。
彩乃かなみ(ラインハルト皇太子)
さすが宝塚!ヅカの底力を見た!でもこの方娘役だったのな。…ヅカすげえ。
こういう、オンナノコが両手を胸の前で合わせて『きゃーっv』って云うタイプのキラッキラなオトコマエをホンモノの男が演じたら、多分私はナナメに見てしまって素直に格好いいとは思えなかったかもしれないなと思うのです。容姿にも権力にも、全てに恵まれた皇太子が抗えなかった運命に、悩み苦しむ姿まで美しいって何事よと。…やっぱヅカすげえ。
少年似合うなー!めっちゃかわいかった!パンフを読んだら『あえて男の子を意識しないで演じた』って仰ってたけど、却ってそれが良かったのかな?お腹の中の赤ちゃんに「毎日キスしてあげたんだ」って涙をにじませたところ、孤児だったこの子がローザ母子を見てどんな風に感じていたのかと思うと胸が詰まる。
流石花組、女性を演じるのは慣れたものですな。安心して見ていられた。この人見てると、女性を演じることで重要なのは性別ではないのだなと感じる。
それにしても、パンフ読んで思ったけど、粟根さんのこと好きすぎじゃねえっすか?ww
それにしても、パンフ読んで思ったけど、粟根さんのこと好きすぎじゃねえっすか?ww
見ず知らずの孤児の面倒見て自分の養子にまでしちゃうって、この人の人生はどんなだったんだろうなあって想像してしまった。旦那さんやお子さんはいなかったんだろうか?学はない(のだろう)けど、色んな経験を積んで、学問以上に大切なことを知っている人なんだろうなあって。
粟根まこと(エグロシュタイン男爵夫人)
花組出ませんか?(真顔)
まさか粟根さんの女形が見られるとは夢にも思っておりませんでしたよ。いかにも厳しそうな、厳格に自分を律している女性、粟根さんにお似合いでした。もっと戸惑うかと思ってたけどさほどでもなくすぐに慣れたわ。役者さんs(ry)
跡継ぎを作ることが重要だったであろうこの時代に、こんなに辛い運命を抱えてしまうってどれほどの苦しみだったろうと思うと辛いし切ない。髪の毛ひっつめて化粧っ気もなく地味にしているのを見ると、辛い経験がそうさせているのかなあとか妄想してしまう。
ラストの、照明がゆっくりと舞台中央に集まっていって十字架を作り、そこに赤ちゃんの笑い声が重なるってシーンが心に残りました。良いもの見せていただいた。ありがとうございました。
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