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芝居のレビュなどをゆるっと書いてみるブログ。あくまで個人的な意見であり、内容に誹謗中傷の意図はないことをご理解下さい。
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観劇日:2015年7月21日
劇場:新橋演舞場
演出:いのうえひでのり 作:中島かずき


なに!?劇団☆新感線の芝居が歌舞伎になる?!しかも染五郎と勘九郎がダブル主演?!そりゃ行かねばならぬ!這ってでも(物理)!
ってな、謎の使命感にかられて(車椅子で)行ってきましたよ!アキレス腱切ったくらいでチケット無駄にしてたまるか!(執念)

拍手[2回]



いやあ、結果を先に云いますと、見に行って良かったわ。
最初は新感線的なストーリーに役者が歌舞伎の方、っていうところに、ちょっと違和感あるなあ」と思っていたんですが、芝居が進むにつれてそれも払拭されまして、最後の方はドキドキハラハラしつつ見てました。前のアテルイ見てるのにな私。


そりゃね、違和感もあろうってモンですよ。
だって芝居冒頭のモブの方々(失礼!)が揃って躍るとこ、めっちゃ踊り上手な人とちょっとアレな人と混ざってるんですもの!多分『アレな』ほうが新感線から参加してる人なんだろうね。やっぱ歌舞伎の役者さんは踊りが綺麗!
殺陣だって、いつもの新感線的な速さ勝負のやつと、歌舞伎特有のストップモーションを使ったみたいな(バーッタリ!ってツケ打ちする奴)のと混ざってるのよ。
なにより開演前にジューダスが流れない!ものたりない!(そこか)
いつもの新感線に慣れている身としては、ちょっと冷めた目で見てしまっていました。


けれど、慣れてきたのもあるのでしょうが、芝居が進むにつれてその混ざり具合を「面白い」と思えるようになってきました。
考えてみれば、異文化を持つ役者を混ぜて使うのは(新劇畑の役者連れてきたり、ミュージカル俳優使ってみたり)いつも新感線がやっていることで、それが今回はたまたま歌舞伎だっただけのことと考えれば納得いくというものでしょう。ま、今回はむしろ新感線の方が異文化だった訳ですが。
ゴッタ煮的な異文化の混ざり具合を楽しめるのも新感線の魅力ですし。
今回の芝居はそういう意味で、今後面白い展開を生むきっかけになったのかもしれないなと思います。
さて、面白いなと思ったことを箇条書きでいくつか。


・下座にドラムがセットされていた。
一緒に行った某友人が「ドラムが生音w」と気づき教えてくれたので見てみたら、黒御簾越しにシンバルのキラキラが見えた。おいおい。んなとこにドラムセットしちゃったんかいww芝居のラストで岡崎つかささんがギター持って出てきてたから(お前もおったんかい!って二度見したが)ギターも生だったんでしょうね。

・染五郎、勘九郎と二人して連続で見栄切ったシーンで、敵方に「なんで貴様らそんな長い見栄を!」とツッ込まれ二人声を揃えて「「性(さが)だ!」」ってドヤ顔。うん、これは歌舞伎役者しかできないボケ。

・染ちゃんが見栄切るとこ、普段だと三味線とかお太鼓とかが音つけるんだろうけど、今回はドラムとギターがかなりロックな音をつけてらっしゃった。同じ下座でも大違いwセリフが歌舞伎調だからすげーミスマッチだったw

・芝居の前半では大向こうが掛からず『物足りないなあ』と思っていたら、染ちゃんったら見栄切って台詞の最後に「高麗屋っ!!」自分でいいよったwww

・後半ではガンガン大向こう掛かってました。うーん。新感線の芝居で大向こうがかかるとは。あとツケ打ちが生音!感無量ですなあ。

・今回、両花道なので目が足りない。特にアテルイと田村麻呂が左右の花道で向かいあって喋るとこ。ど、どっちを見れば?!(おろおろ)

・降伏して都に連れて行かれたアテルイが祟り神になるシーン、最初は普通の顔だったのに最後には赤い隈取りが足されてた。切られて倒れてた時に隈取り書いてたんだな。こういう歌舞伎の手法を使うのは面白い。

・同じく祟り神になるシーン。染ちゃん飛び六方でハケてった!やばいかっけえ!

・そういえばスッポン(花道にあるせり上がり)って、幽霊・妖怪とか人間じゃないものが使うものだそうです。最初のほうでアテルイもここから登場してなかったっけ?(うろおぼえサーセン)。最後彼は祟り神になる訳だし、そういうとこも面白いね。


・最後に三味線持って出てきた女性、歌上手かったなあ。民謡畑の方だろうなあ。

・パンフレット…じゃなかった筋書きのスタッフのとこ見たら「かつら」と「床山」と「ウィッグ」と「ヘアメイク」で全部違う協力先の名前が書いてあった。ヘアメイクはともかく、他は全部同じ意味じゃないの?ww

・同じく「アクション監督」が川原さんで、「立師」は中村いてうさん。これ…も同じじゃないの…かな??

・芝居の最後は3度のカーテンコールの末にスタンディングオベーション!私も!と思ったけど立てない(ギブス)www


・カーテンコールで染ちゃんが「らっせらー!らっせーら!」ねぶたジャンプを見せていたw


では最後に役者について。

市川染五郎(阿弖流為)
蝦夷の英雄。影のあるヒーローが良く似合う色男になった。年を重ねるって凄いことなのねと思う。
芝居の最初っから最後まで苦悩に満ちた人。その時その時で最善の結果を選んだ結果なのだろうけど、結局祟り神になるしかなかったってとこが哀しすぎる。民族問題って難しい。

中村勘九郎(坂上田村麻呂)
アテルイとは真逆な等身大ヒーロー。みんなのアニキ。悩むし苦労するんだけど、最後には「うん、もう悩まない!」なんてスパッと云えちゃう人。基本的にまっすぐで明るく、単純明快で情に厚い。これってなんだかとっても『新感線ヒーロー』だわ。ご本人は(筋書きで)こんな役やるの初めてです、なんて仰ってたけど、なんのなんの!凄くよくお似合いでした。
染ちゃんと比べてどちらが新感線向きか、って云ったらむしろ勘九郎ちゃんの方だと思う。是非今度新感線の本公演にも出て頂きたい!

中村七之介(鈴鹿・立烏帽子)
神の化身である立烏帽子はキリッとしてアテルイのサポートもこなす『できる女』、一方の鈴鹿は純真無垢な少女のごとき可憐さ。鈴鹿可愛いよ鈴鹿(hshs)。二役それぞれの対比が良く出てた。特に立烏帽子の方はどこか中性的な、というか、性を超越したところが神様っぽくて、これは女形ならではの魅力だと思いました。新感線ギャグ路線のヒロイン(実は男)やりませんか?

片岡亀蔵(蛮甲) 
元蝦夷の男。生き残れる方へ、生き残れる方へ、と次々に裏切っていく生き意地の汚い男。「生き残ること」だけに執着してポリシーを持たない。いつもの新感線ならサンボの役だねっ!私はこういう生き方もアリだと思います。
で、この人の妻がです(こういうキャラはじゅんさんっぽいなwww)。着ぐるみの熊がまんま出てきます。頭にピンクのおリボンついてますwwwこの熊がまたけなげで可愛いんだwwwまさかこんな新感線的ネタが今回出てくるとは予想外wwwんなもん草生やさずにおれようかwww

市村萬次郎(御霊御前)
「だれだこのばーさn…あ、じーさんか」歌舞伎だからね。(暴言深謝。褒めてるつもりです)ほんっとに綺麗なのよこの人。女形ってすげえ。美しくて気品があって、目の前にするとつい頭を下げてしまいそうな気高さと迫力。役者ってすげえ。


坂東彌十郎(藤原稀継) 
右大臣様と呼ぶにふさわしい堂々とした役者っぷり。市村さんとこの方のツートップが敵方にいるからこそこの芝居が締まるのだね。つかこの方、筋書きで「新感線のネタものが好き」って云ってんぞ!ちゃんす!出てもらえ!!www

澤村宗之助(無碍随鏡)
敵方の中ボス。最初の踊りのシーンで、真ん中で踊ってたのこの方じゃないかなあ?ちがうかなあ?めっちゃ踊りが綺麗だったんだけど。普段は女形さんなんだな。


最後になってしまいましたが。
今回足を痛めてしまったので車椅子で伺ったのですが、劇場の方に凄く良くして頂いて本当に助かりました。専任のスタッフがついてくれて、移動の時に介助して下さったんです。しかも、正面の入り口脇から一般の方を避けて入れて頂いたり、休憩の時はどうなさいますか?とか、化粧室はご利用になりますか?なんてことまで聞いて下さるのよ。(劇場利用者にご年配の方が多いせいか?対応が慣れてたような…?)本当にありがとうございました。もうしません。(多分)

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